プロジェクトEGGの評判


うちの妻は、企業のサイトに行くと、すみっこに載っている誰も読まないような細かい約款を必ず最後まで読むという、変な人です。


妻は大企業の法務部に所属しています。
そういう約款を作成するのも妻の仕事の一つですからね。


最近TwitterなどのSNSのアカウントが凍結される事例が数多く出てきています。


Twitterの利用規約は結構厳しいのですが、ちゃんと読まずに、他人が使っているからという理由だけで使っている人がいるようです。


ゲームの動画に誘導するURLを貼り付けただけで凍結されたという人もいます。


特にYouTubeは最悪の著作権侵害サイトですからね。年間10億件以上の動画が著作権侵害で削除されているという。


リンク先のサイトが違法なら、そのサイトのURLを貼りつけて誘導するのも規約違反ということでしょう。


適切な範囲の引用なら著作権法第32条の引用規定で認められています。
動画の場合は引用の範囲を逸脱することになるので違法なのです。


しかしそれでは宣伝にならない。


そこで、ほとんどのゲーム会社は独自に規約を制定して、ゲームの実況が認められる範囲を設定しています。


たとえ法律や判例の引用基準を満たさなくても、会社が定めたルールを守っていれば訴えませんよ、という意味です。


宗教活動、政治活動、人種差別などにゲームを利用するのは、どの会社でも禁止です。


金儲け(収益化)に使うのも、規約になければだめでしょう。


動画だけを配信するのも普通はだめで、実況やアバターなど、なにかしら独自の要素を加える必要があります。


プロジェクトEGGのようなレトロゲームも例外ではありません。
2022年11月24日に「二次創作(ゲーム実況)ガイドライン」が公開されました。


これも約款オタクの妻が見て教えてくれたのです。


ガイドラインを見ると、コンパイルなどの、プロジェクトEGGの運営会社が権利を持っているゲームの配信は事前登録制になっています。


(ぷよぷよはセガが権利を持っているので対象外です)


T&Eソフトやクリスタルソフトなどは対象です。


YouTubeや、そこに誘導する目的でSNSに二次的コンテンツを公開する場合は、チャンネル1件あたり1回、連絡先の登録が必要です。


上記で書いたように、これは著作権法の引用基準を逸脱した場合の話です。


判例によると、
・自分のコンテンツが主で、引用部分が従
・出典を明示
・必要な範囲で適切な分量
などが、無断引用をしても合法になる基準です。


動画だけを垂れ流すのは違法ですが、自分で書いた長文の独自コンテンツに必要な引用部分を従属させるようなのは、規約に関わらず合法です。


ところで、私のよく行くレトロゲームの紹介サイトで、コンパイル好きの方がいらっしゃいます。


その方がコンパイルのゲーム記事に誘導するURLをTwitterに張り付けたところ、やはりTwitterのアカウントが凍結されたそうです。


たとえ30年以上経った昔のゲームでも、プロジェクトEGGが権利を持っていて、現在販売されているゲームは注意が必要なのですね。


これが商売のプラスにはならないとか、そんなことを言ってもしょうがない。
権利者が「無許可で紹介するのはだめだ」と言っているなら……。


規約に同意するかどうかは、金を払っている消費者側が判断することです。
同意できないなら紹介しなければいいだけのこと。


想い出のゲームを二度目の金儲けに使うことを不快に思う層がいることも知っていますけど、商売する側からすれば「だったらあなたが権利を取得すれば?」ということになりますよね……。


プロジェクトEGGの名作ゲーム


画面のゲームはパックマンではなく、「ゾンビ・パニック」(ハドソン)です。
この場合の著作権はハドソンを吸収した会社に承継されているのでしょうか。


妻によると、
パックマンの「カタログ IP オープン化プロジェクト」は2015年~2020年まで。
それ以外の期間に他の会社が金儲けにパックマンを使うのは問題あり。


しかしパックマンの頃はゲームの著作権が曖昧で、お互いにパクリが当たり前だった。その頃のゲームはそっとしておきたいと考えている会社もあるだろう。
レトロゲームには発売元が封印したい物がたくさんあるので、許可を得たり問い合わせたりする方がかえって迷惑。


大昔のパクリゲームを紹介したければこっそりしろ、そのかわり一切こちらには関わるな。というのが企業側の本音。
忙しいんだから金にならない余計な仕事を増やすな。……だそうです。




私は経済系の仕事をしています。このブログはレトロゲームの記事が多くなっていますけど、本来は、法律家の妻が開設したブログです。
だからビジネスの視点からは疑問があっても、法律家の視点も考慮しないといけないんですよ。
妻の考え方も、どちらかと言えば企業側の考え方ですが。


規約やガイドラインの作成は、大企業なら社内にいる専門家が担当します。
でも小さい企業には専門家がいないので、外部の法律事務所や、代行業者などに委託しています。


外部の法律家の常識と、商売人の常識は違うので、法律家の考え方が、必ずしも企業の利益にはつながらないのですよね。


まあ、他人の著作物を使って営利活動をしているような場合は、Twitterや動画を凍結されても仕方ないでしょう。


ゲーム業界が中古販売にずっと反対してきたことを考えると、中古ゲーム販売業者のアフィリエイトも会社によっては敵視されるかもしれません。


アリスソフトのように一見ゆるやかに思える会社でも、
SNSへの投稿に際しては問題となりうる使用は控えてください
と規約に書かれていますし。


フリー配布になっているゲームでも金銭的に利益が発生するのは禁止だと規約に書かれています。フリーと野放しは意味が違う。普通に厳しいのです。


私はプロジェクトEGGとも他のゲーム会社とも利害関係のない第三者です。
ガイドラインには賛成とも反対とも何も言っていません。


このブログでは引用の範囲を心掛けているつもりですし、動画配信もしていませんし。もちろん金銭的な利益は一切発生していません。


Twitterが凍結された方は、身に覚えがなければ、著作権法第32条の引用基準を守っていることを盾に異議申し立てをしてみてはいかがでしょうか。


日本の法律は通用しないかもしれませんが。
ジャイアンの論理に、のび太が何を言っても通用しないのと同じで……。


まあTwitterもmixiと同じくいずれ必ず衰退するので、早めに逃げ出して別の場所に移行するのも一つの方法です。
世の中にSNSは山ほどありますし、その他の交流サイトも数多くありますから。


このプロジェクトEGGのガイドラインは2022年11月24日以降に公開されたコンテンツに適用されます。
それ以降にゲームを紹介される方は、留意する必要があるでしょう。


ゲーム会社だけでなく、ローンでもクレジットでも保険でも何でもそう。
規約は必ず確認した方がいいと思います。


ゲームオタクには「規約」と聞くと耳をふさいで逃げたがるタイプの人が多いのかもしれません。
長文を読むのが苦手な人もいるようですが、下の3行くらいなら読めるでしょう。


【まとめ】
他人の著作物を金儲けに使うなら、必ず規約を確認する。
(動画の収益化だけでなく、アフィリエイトも同様)
たとえ無料でも、著作権法32条の引用の範囲は守ること。